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釣果

アジのサビキ釣り(超入門)釣れる時期や仕掛けの種類、9つのコツ

アジのサビキ釣り(超入門)釣れる時期や仕掛けの種類、コツ

アジは食べて美味しいだけでなく、マグロやカツオなどと同じ回遊魚であるため、引きが強く釣りのターゲットとしても非常に人気のある魚です。

アジを釣るには様々な方法があり、釣り針にエサを付けて釣るエサ釣りのほか、近年ではルアーで釣るアジングが人気を集めていますが、サビキと呼ばれる仕掛けを使って釣るサビキ釣りはアジ釣りにおいて最もポピュラーなうえに釣り初心者にも簡単におこなえ、さらに数も釣りやすい釣り方です。

ここではそんなアジをサビキと呼ばれる仕掛けで釣る方法を中心に、アジの釣れる時期や場所や時間帯、釣るためのコツなどアジ釣りの基本についてご紹介していきます。

そもそもアジとは

アジ

アジは種類こそ違えど、北は北海道、南は沖縄まで広く生息している魚です。
地域によって差はありますが全国的にサビキ釣りで釣れるアジは「マアジ」と呼ばれる種類で、スーパーなどで最も目にする機会が多いアジになります。他にも「マルアジ」や「アカアジ」「ムロアジ」「メアジ」など様々な種類のアジがいます。

また、冒頭でも触れたようにアジは回遊魚であるため季節(正確には水温)に合わせてその生息域は変える魚です。しかし中には回遊をせずにその場に居付く「居付き」と呼ばれる個体も多く存在しています。こうした「居付き」の個体は回遊しているアジよりも体色が黄色ぽいことから「キアジ」や「キンアジ(金アジ)」とも呼ばれており、回遊し体力を使い、エサにありつけないこともある回遊性のアジよりも脂がのって非常に美味だと言われています。大分の豊予海峡で取れる有名な「関アジ」などもこの「居付き」の個体だと言われています。

アジの釣れる時期

アジの釣れる時期

魚にはそれぞれ好む水温があり、アジはその中でも比較温かい水温を好む魚です。そのため西に進むほど釣れる時期は早くなり、関西では2月ごろからはじまり、関東では4月ごろから釣れはじめます。さらに北の東北方面になると釣り始まる時期は6月ごろになると言った地域もあります。
概ね11月、12月ごろまで釣ることができますが、「居付き」のアジも存在することから冬でも釣ることができます。
そのためアジはオフシーズンが存在せず、真冬の厳寒期でも釣り場や釣り方さえ間違えなければサビキ仕掛けでアジを狙うことができます。

春:春は産卵に向けて荒食いを始めるシーズンです。比較的良型が釣れる時期ではありますが、気温の変化が激しい時期でもあるため日によって釣果に差が出やすい時期でもあります。

夏:春に生まれた小アジが岸際に寄ってくる時期です。型は小型ですが数が出ますので1日に100匹以上釣れることも珍しくありません。

秋:初秋はまだ小アジが釣れることも多いですが、秋が本格化するにつれて大型のアジも混じってきます。数も型も揃うため秋はアジのベストシーズンとも言えます。

冬:冬はアジが沖の深場へと移動してしまうため最も釣れにくい時期です。ただし釣れれば大型が期待できる時期でもあります。

アジの釣れる時間帯

1年を通して釣ることのできるアジですが、釣れる時間帯とそうでない時間があります。ここからは1日と言った時間の中でもアジの釣れる可能性が高い時間帯についてご紹介していきます。

朝マズメ

朝マズメ

「朝マズメ」とは日の出前後のことを指す釣り用語ですが、この「朝マズメ」は一日の中でも最もアジが釣れる可能性が高い時間帯です。

というのも夜のうちは海底付近に沈んでいたプランクトンが光合成をするために日の出と共に水面付近に浮上してきます。そして、プランクトンを捕食するアジも活性が上がり釣れる可能性が高くなります。

アジのサビキ釣りに限らずほとんど魚はこの朝マズメの時間帯が最も釣れます。

夕マズメ

夕マズメ

「夕マズメ」とは「朝マズメ」の反対で日没前後の時間帯を指す言葉です。この「夕マズメ」の時間帯も釣れる可能性が非常に高くなります。
場所によっては「朝マズメ」よりも「夕マズメ」の方が釣れると言った場所も存在します。

「朝マズメ」も含めて「マズメ」の時間帯は何時から何時までと明確に定義されてはいません。ただ、一般的には日の出・日の入りの前後1時間ぐらいのことを言います。

夜

常夜灯のある漁港などでは夜でもアジを釣ることができます。

常夜灯の光にプランクトン集まり、それを捕食しようとアジも集まってきます。
どこにアジがいるのか分かりにくい日中の釣りとは違い、夜のアジ釣りは常夜灯のまわりと言った場所に限定されるため非常に釣りやすいと言った特徴があります。

満潮や干潮の前後

満潮や干潮の前後

もちろん日中でもアジを釣ることはできます。1日の中で数回訪れる満潮・干潮と言った時間帯の前後3時間は釣れる可能性が高くなります。
こういった時間帯は、干潮から満潮に向けて動いていた潮が満潮に近づくにつれて緩やかになったり、満潮で止まっていた潮が干潮に向けて動きだすなど変化が発生する時間帯です。
そういった潮の変化に合わせてアジも行動するため釣れる可能性が高くなります。

サビキ釣りの仕掛け

サビキとはエサに似せた疑似餌針が数本ついた仕掛けのことです。またサビキ仕掛けでアジを狙う時には、これにコマセと呼ばれる撒き餌(寄せ餌)をカゴに入れて使用するのが一般的です。

つまりコマセでアジを集め、サビキの疑似餌をエサと勘違いさせ釣り針を食わせる釣りがサビキ釣りです。

そんなサビキ釣りにもいくつかの種類があります。ここでは一般的にアジ釣りで使われるサビキ釣りの仕掛けの種類についていくつかご紹介していきます。

上カゴ(関東式)・下カゴ(関西式)

サビキの上にコマセを入れるカゴがついた仕掛けは「上カゴ仕掛け(または関東式)」、反対にサビキの下にカゴがついた仕掛けは「下カゴ仕掛け(または関西式)」と呼ばれています。

上カゴ仕掛けは、こぼれ落ちるコマセの中に自然とサビキが同調するため初心者でも釣りやすいと言った特徴があります。
反対に下カゴ仕掛けはアジのいる棚が浅い場合に非常に有効な仕掛けであると同時に、上カゴ仕掛けよりもシンプルなため絡まるなどのトラブルが少ないと言ったメリットがあります。

ウキ付きサビキ

上記で紹介した「上カゴ仕掛け(または関東式)」のカゴの上にウキを付けたサビキ仕掛けもあります。

上記で紹介した仕掛けでは足元にいるアジしか狙うことができませんが、ウキ付き仕掛けでは遠くまで遠投して岸から離れたアジを狙うこともできます。

詳しくは後述しますが、アジは日中になると岸から離れた少し深い場所にいることが多くなります。そのため遠くの深場を狙うことができるウキ付き仕掛けは日中に釣りをする方におすすめの仕掛けです。

ただし、ウキやウキ止めなどが必要で仕掛けがより複雑になるため、釣り糸が絡むなどのトラブルも起きやすいので取り扱いには注意が必要です。

トリックサビキ

通常サビキ釣りではコマセで寄せたアジをエサに似せた疑似餌のついた針で釣る釣りのことをいいますが、トリックサビキとは疑似餌のついていないサビキにコマセで使用するアミエビなど本物のエサを付ける仕掛けのことです。

本物のエサを付けるため釣れる可能性が高いうえに、疑似餌には反応しないアジ以外の魚も同時に狙うことができます。
ただし、エサを付ける手間が発生するうえにエサを付けるための専用の道具が必要になります。

サビキ釣りの流れ

1,コマセをカゴ入れる

まずはコマセをカゴに入れます。この時コマセを入れすぎるとコマセがカゴから出なくなるため入れすぎには注意しましょう。7,8割程度を目安にするとスムーズにコマセが出て、アジを寄せることができます。

2,仕掛けを投入し、シャクる

コマセをカゴに入れたら仕掛けを投げ入れます。仕掛けが投入できたらロッドをあおりカゴの中のコマセを出しアジを集めます。

4,あたりを待つ

あとはアタリを待つだけです。5分~10分程度待ってアタリがなければ、再度カゴにコマセを入れて投げ直します。

5,アワセを入れて釣り上げる

魚のあたりがでたらサオをあおりアワセを入れます。この時強くアワセすぎないように注意しましょう。アジの口は非常に柔らかく強くアワセを入れすぎると切れてしまいます。

一緒に釣れる魚

イワシ
サッパ
サバ
メッキ
カマス

釣り方のコツ

ここからはサビキでアジを釣る際のコツについていくつか紹介していきます。

コマセの詰めすぎには注意

上記でも触れましたがコマセの入れすぎには注意しましょう。コマセをカゴ入れ過ぎとコマセがスムーズに出ていかずアジをうまく寄せることができません。
数分待って回収した際にカゴの中にコマセが大量に残っているようであればコマセの入れすぎです。

朝マズメ・夕マズメは浅く、日中は深く

アジが主に捕食活動を行う朝マズメや夕マズメは比較的浅い棚(浅い水深)にいることが多くなります。
反対に日中は深い棚(深い水深)にいることが多くなります。

「隣の人は釣れているのに自分は釣れない」と言った場合にはアジのいる棚にサビキが入っていないことが考えられますので仕掛けを入れる棚を変えてみましょう。

初心者はサビキの釣り針を少なめに

サビキは針が複数本ついた仕掛けです。そのため一度に2匹、3匹と釣れることも珍しくありません。しかし針数が多くなればなるほどトラブルも多くなり、トラブルが多くなればイライラするだけでなく、釣れる時間帯を逃す可能性も高くなります。
初心者の方は8本針など針数の多いものより5本針など針数の少ないものを選ぶのがトラブルを起こさずアジ釣りを楽しむためのコツです。
本数の少ない仕掛けが売っていなかった場合には、針を間引いて使っても問題ありません

サビキは何セットか用意しておく

サビキは何セットか用意しておきましょう。

何度も記載しているようにサビキ釣りは針が多く仕掛けが複雑なため仕掛けが絡まるなどのトラブルが起きやすいと言ったデメリットがあります。
そのためどんな大ベテランでもちょっとしたミスから仕掛けが絡んでしまうことがあります。

せっかく釣りを始めたのに仕掛けが絡んでしまい、釣具屋に戻るといったことにならないように最低でも2セット、できればそれ以上用意しておくと安心です。

連掛け

連掛けとは1度に何匹も釣り上げることで、釣り針が複数ついたサビキだからこそできる釣り方です。
連掛けのコツはアジがかかってもすぐに釣り上げずにそのまま待つことです。
アジは群れで行動しますので1匹が釣れたということは、近くにはたくさんのアジがいるということになり、待っていれば他の針にもアジがかかる可能性が高くなります。

ただ、あまり待ちすぎるとかかったアジが逃げてしまったり、アジが暴れて仕掛けが絡まってしまうこともありますので、待つにしても数十秒程度にしておきましょう。

日中も釣りをするならウキ付きサビキがおすすめ

こちらも上記で触れましたが、マズメと呼ばれる時間帯にはアジは表層付近で捕食活動を行うことが多くなります。反対に日中になると岸から離れた深場に潜ってしまうことが多くなります。

そのため、日中に釣りをするのであれば遠くの深場に仕掛けを入れられるウキ付きのサビキ仕掛けがおすすめです。

ハイシーズン以外は特に水深のある漁港が釣れる

夏から秋にかけてハイシーズンを迎えるアジ釣りですが、1年を通して狙うことができます。

ただ、ハイシーズンは浅い場所にも深い場所にもいるアジが、真冬のシーズンになると深場にいることが多くなり、そもそも水深の浅い漁港には入ってこないことが多くなります。
そのためオフシーズンとなる冬場は水深のある漁港を狙って釣りをするのが釣果アップのコツです。

1匹釣れたら手返し良く

アジは1回釣れれば、2回、3回と連続して釣れる可能性が高い魚です。

しかし回遊魚であるため常に動き回っており、いつ目の前からいなくなるか分かりません。

釣れたアジを外すのに手間取ってしまったり、コマセを入れるのに時間がかかってしまったり、釣ったアジの写真を撮っていったりしてはせっかくのチャンスを逃すことになりかねません。

手返し良くコマセを詰め直して投入することができれば1日で100匹以上のアジを釣ることも夢ではありません。

事前に釣れているかをチェック

どんなに完璧に支度をし、アジを釣りに行ってもアジがいなければ釣れることはありません。アジが釣れる漁港などを探すだけでなく、今釣れているかどうかを釣具屋に聞いたりSNSなどを駆使してチェックしてみましょう。

あると便利な釣具

サビキ釣りは釣り竿などのタックルに加えてサビキとコマセさえあれば釣りをすることができます。ただし毒魚が釣れてしまうこともありますし、魚やエサで手が汚れることもあります。
ここからはサビキでアジを釣る際にあると便利な釣具をいくつかご紹介しておきます。

フィッシュグリップ

フィッシュグリップとは直接触れずに魚を掴むことができる釣具のことです。
様々な形のフィッシュグリップがありますが、アジを狙うのであればトングのような形状のフィッシュグリップがおすすめです。

魚が触れない方はもちろん、手が魚臭くなるのを防ぐこともできます。また、毒魚やヒレが鋭い魚などが釣れてしまった時などにも安全に針を外すことができます。

紐付きバケツ

紐付きバケツもあると非常に便利です。
コマセで汚れた手を洗うために海水を汲み上げることもできますし、釣ったアジを生かしておくこともできます。

釣り用のバケツの中にはビニール製でできているものがあり、コンパクトにできるため持ち運びにも収納にも便利です。

サオ置き・竿立て

地面に直接ロッドやリールを置くと傷や破損につながるうえに、上下運動が大きくなるため非常に疲れます。
サオ置きや竿立てと呼ばれるロッドを置いておくことのできる釣具もサビキ釣りでは非常に便利です。

クーラーボックス

クーラーボックスがあれば、アジを鮮度の良い状態で保管しておくことができるだけでなく、飲み物なども冷やしておくこともできます。
また、椅子代わりにもなるため1つあるだけで非常に釣りが楽になります。

「持ち運ぶのが大変」という方はクーラーバッグや保冷バッグと呼ばれるアルミ式の物でも十分ですので状況に合わせて使い分けてください。

タオル

サビキ釣りをするのであればタオルは必ず持って行くようにしましょう。

泳がせセット

アジは食物連鎖の中でも底辺に近い存在の魚です。そのためアジはシーバスやヒラメ、マゴチ、ブリ、カンパチなど大型の魚に常に狙われています。
しかし反対に言えば、アジがいるところにはアジを狙ったそれらの魚がいる、または寄ってくる可能性が高いと言えます。

釣れたアジを生きたまま泳がせてエサにし、大型魚を狙う釣り方を泳がせ釣りと言いますが、1つそういった仕掛けを用意しておくとサビキをしながらサビキでは釣れない大型魚を狙うこともできます。