釣果
生き餌のつけ方(泳がせ釣り)
泳がせ釣りの生き餌のつけ方とコツ
生き餌を使う泳がせ釣りは疑似餌を使うルアーフィッシングとは違い、魚に餌であることが非常に見切られにいと言った特徴があります。また、オキアミや切り身などを使うエサ釣りとも違い、エサが実際に動くため魚を誘いやすいと言った特徴もあります。そのため泳がせ釣りは賢い大型の魚をも簡単に狙うことができる釣りです。
しかし、生き餌が死んでしまえばそういったメリットが全てなくなってしまうばかりか、生きたエサしか捕食しない魚は釣れなくなってしまいます。
そのため泳がせ釣りでは生き餌の取り扱い方が全てと言っても過言ではありません。そして生き餌は釣針へのつけ方一つで弱り方が大きく変わってきます。
ここでは泳がせ釣りで使う生き餌のつけ方やつける際のコツについて紹介していきます。
5つの生き餌のつけ方
生き餌が泳ぎやすいつけ方や弱りにくいつけ方などいくつかの方法があります。
鼻掛け
魚には人間と同様に鼻があります。また、魚は口から取り込んだ海水から酸素をエラで吸収し呼吸しています。そのため鼻掛けは魚の呼吸を阻害しないため弱りにくいかけ方です。
また、鼻掛けはこの後紹介するつけ方よりも魚の身を傷つけることからも弱りにくいとつけ方の1つと言われています。
魚の身に直接針をつけないことから身が切れてしまいやすいイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、魚の鼻にも鼻骨があるため身切れはしにくくなっています。
さらに鼻カンと呼ばれる泳がせ専用の釣具を使うことでさらに弱らせにくくしたり、2本針仕掛けにすることもできます。
ただし、生き餌が小さい時は鼻骨も弱く柔らかいため身切れしてしまうこともありますので注意が必要です。
目通し
目通しは目のフチから反対の目のフチに釣針を通すつけ方です。鼻がけよりも取れにくく、身切れの心配もさらに小さくなるため生き餌が小さい時などに効果的なつけ方となっています。
また、鼻掛け同様、生き餌の動きを抑制しないので餌がよく動くことで、ターゲットとしている魚に違和感を与えにくいうえに魚がよく動くの広範囲にアピールすることができます。
ただし、目を傷つけてしまうと、泳ぎが悪くなってしまったり弱りやすくなってしまうため多少の慣れが必要です。
上アゴ掛け
上アゴ掛けとは名前の通り、口の中から上アゴに向けて釣針を通すつけ方です。
口の中に入れた釣針を上に向かって通すだけなので比較的カンタンなつけ方です。
コツはあまり口の奥に刺しすぎないこと。奥に刺せば取れにくくはなりますが、魚の脳を傷つけてしまい即死させてしまうこともあります。
口掛け
顔に釣針をかけるつけ方の中で最も取れにくいつけ方なのが口掛けです。
上アゴ掛けに似ていますが、口の中から釣針を通すのではなく下顎から上顎へと通します。
下アゴから上アゴに通すため口から海水が入りにくくなり弱りやすいといったデメリットがありますが、身切れなどの心配が少なくなると言ったのメリットがあります。
船釣りなど生き餌が多数あり頻繁に交換できる状況などでおすすめのつけ方です。
背掛け
背掛けは泳がせ釣りで最も使われるつけ方です。最も取れにくいため、岸からの泳がせ釣りで生き餌を遠投したい場合などに適しています。
背びれ付近にある硬い場所に釣針をかけるのがさらに取れにくくなるコツです。
泳がせ釣りでターゲットとしている魚の多くは、捕食の際にヒレやウロコが口の中で引っかからないように魚の頭から捕食する傾向にあります。そのため上記で紹介した付け方よりも針がかりしにくいと言ったデメリットがあります。
1本針と2本針
泳がせ釣りには主に親針だけの1本針仕掛けと親針と孫針の2つの釣針を使用した2本針仕掛けがあります。
1本針
上記のつけ方で紹介したのは全て親針のみ使用し泳がせる方法です。釣針の数が少ないためかかりは2本針よりも悪くなりますが、生き餌につける針の数が少ないことやかける箇所が少ないため生き餌が弱りにくいとメリットがあります。
2本針(孫鈎仕掛)
2本針は針が2つになるため非常にかかりやすい仕掛けです。1本針とは反対に生き餌に負担をかけやすいため弱りやすいといったデメリットがありますが、2本同時にかかればバレにくいと言ったメリットがあります。
2本針のつけ方
親針と孫針の2本を使う2本針の一般的なつけ方をご紹介します。
親針は上記の「5つの生き餌のつけ方」で紹介した背掛けを除く掛け方のいずれかの方法を取りますが、2本目の孫針特有のつけ方には「背掛け」「腹掛け」「尾びれ掛け」「チラシ」といった4つの方法があります。
背掛け
1本針の時と同様に2本目の孫針を背中にかける方法です。
身切れなどの心配が少ないためキャスト時に生き餌から釣針が外れる心配が少なくなります。
腹掛け
背掛けとは反対に孫針を腹部分にかけるつけ方です。
特に泳がせ釣りでヒラメやマゴチなど下から生き餌を捕食するターゲットを狙う際に適したつけ方ですが、つける際に内蔵を傷つけてしまうと弱りやすくなるため注意が必要です。
尾びれ掛け
尾びれ付近につけるのが尾びれ掛けです。
前からのバイトはもちろん、後ろからの捕食にも針がかりしやすいと言った特徴があります。
チラシ
チラシは孫針を生き餌自体につけない方法です。
シーバスなどエサを捕食する際に吸い込むように捕食する魚を狙う際に効果的な仕掛けで、吸い込むと同時に魚の口に孫針が吸い込まれ針がかりします。反対にヒラメなど吸い込むような捕食はせず噛み付いてくるような魚には不向きなつけ方になります。
また、他のつけ方よりも根掛かりなどの可能性は高くなるため、ターゲットとしている魚はもちろん釣り場に合わせて使わけるようにしましょう。
生き餌のつけ方のコツ
冒頭でも記載したように泳がせ釣りでは餌が生きているからこそ、魚を誘いやすくなります。そのため投げる前から弱らせてしまうようでは釣果に大きな差が出てきてしまいます。
ここからは生き餌をつける際のコツをいくつか紹介していきます。
素早くつける
手で触っている時間が長くなれば長くなるほど生き餌は弱っていきます。
そのため、素早く釣針つけることで生き餌は弱りにくくなります。
慣れてくれば自然とできるようになるはずですが、慣れていなくとも素早く釣針をつけるように気をつけるようにしましょう。
水の中でつける
バケツなどの水の中で釣針を生き餌にかけるのもコツの1つです。
当然のことですが魚は水中でしか呼吸をすることができません。
そのため生き餌に釣針をつける際は水の中から生き餌を出してつけてしまいがちですが、水の中に生き餌である魚をいれたままは呼吸ができるため弱りにくくなります。上記で記載したように素早くつけるのが苦手な人には特におすすめのつけ方です。
手を濡らす
熱いものを触ると火傷するように、体温差から魚は人間が手で触れると火傷をすると言われています。
そのため泳がせ釣りの生き餌を触る前に手を濡らすことで魚へのダメージを減らすことができ、弱らせにくくすることができます。
強く握らない
泳がせ釣りを始めたばかりの方の中には生き餌を強く握ってしまい、泳がせる前に魚を弱らせてしまった経験をしたことがある方も多いと思います。
生き餌はオキアミなどの餌とは違い、動くことから非常につけにいため強く握ってしまいがちですが、強く握ってしまえばあっという間に弱ってしまいます。特に泳がせ釣りで使われることも多いイワシなどは非常に弱りやすいため、強く握りすぎてしまうと泳がせる前から死んでしまうことさえあります。
目を隠す
生き餌に限らず多くの魚が目を隠すと大人しくなります。
理由は定かではありませんが、体を手で強く押さえつけるよりも目を隠すと魚は大人しくなりますので、釣針もつけやすくなります。
実際にテレビなどに出演されているプロアングラー中にも泳がせ釣りでエサを付ける際には目を隠しながら釣針をつける方は多くいます。
フィッシュグリップやタオルを使う
魚には体を保護するためにヌメリがあり、このヌメリのせいで持ちづらく釣針をつけにくくなります。
その点フィッシュグリップやタイルを使えばヌメリで滑ることも少なくなるため生き餌を固定しやすくなり釣針もつけやすくなります。
また、上記でも記載したように直接魚に触れずにすみますので手を濡らすなどの必要もなくなったり、魚は表面のヌメリを取ってしまわないため弱りにくいなど多くのメリットがあります。
大きく太い釣針は使わない
泳がせ釣りは大型の魚も狙えることから大きく太い釣針を使いたくなってしまいがちです。しかし釣針が大きくなれば、それだけ釣針は重くなり、小さな生き餌には大きな負担となってしまいます。また、釣針が大きく太くなればそれだけ魚の身を傷つけることにもなるため弱りやすくなります。
もちろん、釣針を小さく細くしすぎれば、かかった魚に伸ばされてしまう可能性もでてきてしまいますが、必要以上に大きい釣針や太い釣針を使わないのも泳がせ釣りでエサを受けるためのコツの1つです。
釣針をつけた後はすぐに投げ入れる
釣針をつけたらできるだけすぐに投げ入れるようにしましょう。いつまでも陸地に上げておくとすぐに死んでしまいます。特に夏場などは堤防や磯場が熱くなっているためより弱りやすくなります。
すぐに投げられない場合はバケツやバッカンなどに水を張っておくなど投げる準備が終わるまでの間も水につけておくようにしましょう。
エラとお腹を傷つけない
魚にとってエラは人間の肺のようなものです。そのためエラを傷つけてしまうと呼吸ができなくなってしまいます。また、エラには多数の血管が通っていることからも傷をつけると血が出てしまい弱りやすくなります。
さらにエラと同じように傷つけてはいけないのがお腹です。腹には心臓を含む内臓があるため傷つけるとすぐに弱ってしまします。
これも慣れが必要ですが泳がせ釣りで生き餌をつける時はエラとお腹を傷つけないようにつけるのが魚を弱らせないコツです。
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