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釣果

シーバスを釣るためのテクトロの21の基本テクニック

シーバスを釣るためのテクトロの21の基本テクニック

テクトロはシーバスを釣るための最強のテクニック

シーバスは海底や水面、潮目など様々な壁にベイトを追い込み、逃げ場をなくし捕食する。もちろん堤防や護岸などもシーバスがベイトを捕食する際に使用する壁となる。

また堤防や護岸のえぐれや下に沈んでいるテトラポットなどはベイトはもちろんシーバスが身を潜める絶好の場所となっている。

今回はそんな場所にいるシーバスを狙う際に非常に便利なテクトロでの釣り方の基本について紹介していく。

ちなみにテクトロはテクテクトローリングの略で、テクテク歩きながらトローリングすることからテクトロと呼ばれている。

テクトロでシーバスが釣れる場所

漁港の堤防や河川の護岸、沖堤防などテクトロは岸際を歩ける所であればどこでも活用することができるが、シーバスがいなければ釣れることはない。そのためテクトロでシーバスを狙うのであれば水深がある程度ある場所がおすすめだ。あくまでも目安だが干潮時でも底が見えない程度水深があった方が、マズメはもちろんデイゲームでもテクトロでシーバスを狙うことができる。特に日中などは水深があることでシーバスの警戒心も緩みやすい上に個体数も多い。

また、平面になっている堤防よりも穴が空いている堤防や柱がむき出しなっている堤防、下にテトラポットが沈んでいる堤防などの方がベイトはもちろんシーバスが潜みやすい環境のため釣れる可能性が高い。

テクトロでの釣り方

岸際を歩かない

テクトロをしていると、どうしてもルアーがちゃんと動いているか気になって水面を覗きながら歩きたくなってしまう。また楽な体制をとるために岸際を歩きたくなってしまうことも多い。しかし岸際を歩いてしまうとシーバスからアングラーが丸見えになってしまい、せっかくシーバスがいてもルアーへの反応は鈍くなりやすい。
テクトロをする際はシーバスからアングラーが見ない位置に立ちながら岸際を歩くように注意しよう。

岸際から離し過ぎない

ルアーを岸際から離し過ぎないのもテクトロをする際に注意する点だ。特にデイゲームなどではシーバスが岸際にタイト(密着)についていることが多く、活性が低いため離れて通るルアーに反応を示さない。シビアな状況だと岸際から1m離しただけでも食ってこないことがある。特にテクトロを始めたばかりのアングラーは根掛かりなどを恐れ、ルアーを岸際から離してしまうことが多い。
しかしちょっとした距離の違いで釣果が変わってくることもあるので、テクトロをする際はできるだけ堤防や護岸の岸際に沿ってルアーを通すようにしよう。

ゆっくりと歩き過ぎない

テクトロで釣れない理由の1つにルアーが動いていないことがある。ルアーは水の抵抗を受けることで振動したりゆれたりしシーバスにアピールしてくれる。しかしテクトロでゆっくりと歩きすぎてしまうと受ける抵抗が少なすぎてしまうためルアーがアクションしてくれず釣れない。

人間の歩く速度は時速4km程度(秒速:1.25m程度)と言われている。つまりアングラーが普通に歩く速度はハイギアのリールを1秒間に1回まわすのと同じ速度と言うことになる。

ただしテクトロをする場合にはロッドを持ちながら歩くことになるし、ルアーボックスなどを入れたバッグなど重たい物を身につけている場合が多い。またランディングネットなどを持ちながらテクトロすることもあるだろう。
そのため普段と同じように歩いていても実際には普段よりも歩く速度が遅くなってしまっていることが多い。

テクトロをする際は、ルアーをしっかりとアクションさせるためにも最低限普段歩くペース、またはそれ以上を意識しながら歩くようにしよう。

もちろんルアーによって最低限必要な水の抵抗は異なるため、ルアーによってはゆっくりと歩いてもアクションしてくれるものもある。テクトロで使用するルアーがどの程度のスピードを最低限必要としているのかはテクトロをする前に必ず確認しよう。

デイゲームでは早歩き、ナイトゲームではゆっくり歩く

日が昇ったデイゲームではシーバスの視認性も良いためルアーをゆっくり動かしてしまとルアーを疑似餌だと見切ってしまう。そのため日中にテクトロする際は少し早歩きでルアーを引くことで、シーバスにルアーを見切らせずバイトさせることが可能だ。
一方ナイトゲームではシーバスの視認性は日中よりも良くないため、ゆっくり歩いてもルアーを見切られにくい。また、ゆっくり引くことで夜でもルアーしっかりとバイトさせることが可能となる。

シーバスのいるレンジにルアーを通すことが大切

シーバスのいるレンジにルアーを通すことが大切

いくらテクトロが釣れるテクニックだといってもシーバスのいるレンジ(水深)とルアーの通るレンジが違えばシーバスがバイトしてくる可能性は低い。
テクトロでのレンジはルアーの重さなどによって変わってくるが、その中でも最も重要な要素となるのがルアーとアングラーの距離にある。

アングラーとルアーの距離が近ければ近いほど浅いレンジをルアーが通り、離れれば離れるほど深いレンジを通すことができる

アングラーとルアーの距離が近ければ近いほど浅いレンジをルアーが通り、離れれば離れるほど深いレンジを通すことができる。

また、歩くスピードによってもレンジが変わってくる。歩く速度が早ければ浅いレンジを、歩く速度が遅ければ深いレンジを探ることができる。

テクトロに限らずルアーフィッシングは上の層から順に攻めるのが基本となるため、まずはルアーとアングラーの距離が10m程度となる距離からはじめ、2往復目、3往復目と徐々に下のレンジを探れるように離していこう。

※上記はシンキングミノーやバイブレーションなど沈む特性を持ったルアーの場合のみ該当しフローティングミノーなどは距離を離しても探るレンジは変わらない。

ドラグは緩めに設定する

テクトロの際はドラグは緩めに設定しておこう。

テクトロは岸際を攻めるため、シーバスを掛けた場合にシーバスとアングラーの距離が非常に近い。そのためシーバスが元気なうちに近い距離でやり取りをしてしまうとエラ洗いなどでバラシてしまう確率が非常に高くなる。ドラグを緩めに設定しておくことでシーバスを一旦沖に走らせ、アングラーとシーバスとの距離をある程度確保しやすくなる。

またドラグを緩めに設定することでルアーの食い込みを良くすることができる。

シーバスは捕食する際、海水と一緒にベイト(またはルアー)を捕食する。この際ドラグを強めに設定しておくと、シーバスがルアーをうまく吸い込めずルアーが口の中に入ってくれない。一方ドラグを緩めに設定しておくことでルアーをシーバスがうまく吸い込み、口の奥深くにフッキングさせることができる。

硬すぎないロッドを使用する

上記の理由と同様にロッドが硬すぎるとシーバスがルアーを吸い込もうとしてもロッドが弾いてしまい口の中までルアーが入ってくれない。
また、シーバスを沖に走らるためにドラグを緩めに設定したくてもロッドが硬すぎるためにロッドにテンションがかけられずにバラシてしまう可能性が高くなる。

テクトロをする際は柔らかめのロッドを使用することで、しっかりとルアーを食い込ませ、テンションをしっかりと掛けながらやり取りをすることができるためバラシを軽減させることができる。

ロッドを少し後方に向ける

ロッドの角度を歩いてきた方向である後方に向けることもシーバスにルアー吸い込ませるために非常に重要な要素となる。
ロッドをアングラーの真横または進行方向に向けてしまうとロッドのしなりが強くなりシーバスにルアーをうまく吸い込ませることができない。それよりもロッドを少し後方に向けることでルアーを吸い込ませやすくし確実なフッキングができるようになる。

潮下から潮上に向かって歩く時が一番釣れやすい

潮下から潮上に向かって歩く時が一番釣れやすい

シーバスは基本潮の流れてくる方向に向かってステイしていることが多い。またベイトは回遊する際、潮下から潮上に向かって泳ぐ。そのため、シーバスに対して向かってくるルアーよりもシーバスを追い越していくルアーに反応しやすい。

テクトロする際はベイトの回遊方向と同じように潮下から潮の流れてくる潮上に向かって歩くことでシーバスに違和感を与えずにルアーにバイトさせることができる。

もちろん、シーバスにルアーが向かう場合に釣れないと言う訳ではない。
ただ、潮上に向かってテクトロするほうがバイトしてくる確率は高くなるので集中しよう。

行きと帰りでは歩くペースが異なる

先程説明したように河川はもちろんのこと、海にも潮の流れが必ずある。そのため、潮上に向かってテクトロする場合と潮下に向かってテクトロする場合では同じペースで歩いてもルアーのアクションが異なる。
もちろん、潮上に向かって歩く場合には歩くスピードに流れが前からぶつかるのでゆっくりと歩いてもルアーがしっかりとアクションしてくれる。しかし、潮下に向かって歩く場合にはアングラーが歩く方向(ルアーが進む方向)と同じ方向に向かって潮も流れているためルアーのアクションは大人しくなる。
そのため、潮上に向かう場合と同じようにアクションさせたければ、早く歩く必要があるし、流れが速い場所や時間帯などでは早歩き程度の速度で歩かないとルアーがアクションしてくれない可能性も出てくる。

歩きながらベイトを確認する

テクトロで釣果を上げるにはベイトの確認も非常に重要な要素となる。
シーバスは偏食傾向が非常に強い魚であるため、例えばイワシがメインベイトとなっている時はイワシのサイズやカラーにあったルアーを使用した方がバイトを誘発させやすい。
そのため岸際にいるベイトが何なのか?サイズはどれくらいなのか?などを確認しながら歩くことで、その日のシーバスがバイトしやすいルアーを選択することが可能となる。

ただし、「岸際を歩かない」で説明したようにあまりアングラーの姿を見せてしまうとシーバスが警戒してしまうため、50mや100m感覚と言ったように定期的にベイトの存在を確認するようにしよう。

水噛みの良いルアーを使用する

ハイギアのリールであれば1回転で1m前後を巻くことができる。また、先程も説明したように人間が普通に歩く速度は1秒間に1m前後となる。しかし1秒間にリールのハンドルを2回転させることは容易だが、歩く速度を倍にするのは非常に難しい。
そのため、ある程度水噛みの良いルアーを使用することもテクトロをする際の必要条件となる。

水噛みの良いルアーを使用することで歩く速度が遅い方でもしっかりとルアーをアクションさせることができることはもちろん、疲れて歩く速度が遅くなっても水噛みの良いルアーであればしっかりとアクションしてくれるのでシーバスのバイトを誘うことができる。

流れの変化が合った場所を覚えておく

テクトロをしているとルアーの引き抵抗が重くなる場所が必ずある。そういった場所は堤防や護岸に流れがあたることでその一部だけ流れが複雑になり、流れが変化し引き抵抗が重くなる。そういった場所にはベイトが集まっていることが多く、シーバスもいる可能性が高い。
テクトロしながらもそういった場所を覚えておくことで釣果アップを狙うことができる。

1往復で諦めない

テクトロに限らずシーバスを狙うのであればレンジやルアーセレクトなどが非常に重要となる。そのため、1往復で釣れないからと言って諦めないこともテクトロでシーバスを狙う上で非常と重要な要素だ。
1往復目で釣れなければ、2往復目はレンジやルアーを変えてみるなど少しずつ変化させていくことでシーバスとの距離が徐々に縮んでいく。
そのため、1往復目で諦めてしまえば、シーバスがそもそもいないのか、レンジが違うのか、ルアーセレクトを違うのかすら分からない。

ただし、1度に大きく変化させ過ぎないことも重要だ。
ルアーも変えた。レンジも変えた。では何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってしまう。何かを変化させる際は1つずつ変えていくことでシーバスとの距離を確実に縮めていくことができる。

行きと帰りで泳ぐコースを変えてみる

折り返しの際に行きと全く同じようにルアーを通しても食ってくることはあるが、ちょっとした変化を与えるだけでもシーバスからの反応は変わってくる。
例えばナイトゲームでテクトロをする場合、行きは明暗の境目にルアーを通すように歩いたとして、帰りは明暗の境目ではなく、岸際ギリギリの暗部を通してやると言ったような釣り方だ。
場合によってはその違いは数十cmかもしれないが、明暗の境目と暗部では大きな違いがある。

潮あたりの良い面を狙う

沖堤防などは基本両面とも海となっている。その際は潮あたりの良い面から探るようにしよう。潮あたりがない面は波が当たらないためアングラーにとっては釣りやすい環境ではあるが、ベイトがついている、または回遊してくる可能性が高いのは潮あたりの良い面となることが多い。
特に数キロ以上続くような大きな沖堤防などは数往復するだけでも非常に体力を消耗する。そのため、限られた時間の中で潮あたりの良い面と悪い面の両方を探ることは不可能に近い。
潮あたりの良い面を中心に攻めることで限られた時間の中でより多くの釣果を期待することができる。

もちろん河川の護岸際をテクトロする際も同様だ。少しでも河川が曲がっているようであれば流れがあたる面の護岸をテクトロすることでシーバスがヒットする可能性は高くなる。

シェードがある面を狙う

シェードとは影のこと。シーバスの餌となるベイトは、日中にシーバスなどのフィッシュイーターから見つかりやすい日の当たる場所よりも見つかりにくいシェード(日陰)にいることが多い。
また、体の大きいシーバスもベイトから見つかりやすい場所よりも見つかりにくいシェード部分にいることが多い。
そのため、漁港や沖堤防はもちろんのこと、河川の護岸をテクトロする際は、シェードとなっている面を攻めることでシーバスのバイトを期待することができる。
特に上記で紹介した潮あたりの良い面とシェードが重なっている場所はシーバスがいる可能性は非常に高いと言える。

定期的にルアーを回収し確認しよう

テクトロをする際は定期的にルアーを回収し確認するようにしよう。
ルアーはちょっとしたゴミが引っかかっただけでもアクションしてくれなくなってしまう。そのため途中でゴミがかかったことに気が付かずつかずに数キロも歩いてしまうとそれまでの努力が無駄になってしまう。
最初のうちは100m前後歩いたらルアーをチェックするようにし、ゴミなどが引っかからなくないようであれば200mおき、300mおき、とチェックするタイミングを伸ばしていくようにしよう。

アクションも時には重要

リトリーブで言う所のタダ巻きと同様に、テクトロの基本は止めずにまっすぐ引き続けることにある。
そのためテクトロは簡単ではあるものの非常にシーバスの釣れる可能性の高いテクニックであるため、沖堤防などでは1日中テクトロしているアングラーも多い。

しかしシーバスの活性が特に低い時は、基本のテクトロだけでは思った以上の釣果を得ることができない時もある。そう言った時は途中途中にアクションを入れてやることも重要となる。

一瞬テンションを緩めてフォールさせたり、軽くロッドを煽ってトゥイッチなどを入れてルアーにヒラを打たせるやることで活性の低いシーバスにリアクションバイトをさせることができる。

ただし、常にアクションし続けるのは非常に大変なため「流れの変化が合った場所を覚えておく」で紹介したような流れの変化のある場所で定期的にアクションを入れることで効率よくシーバスを誘うことが可能となる。

歩く速度を変えるだけでもアクションになる

テクトロは歩くことが通常のリトリーブと同じようにルアーを動かすことができる。そのため歩く速度を変えるだけでもルアーに緩急がつき立派なアクションとなる。
リトリーブではイメージしにくい緩急も歩く速度を変えるだけでできるためルアーの速度をイメージしやすい。

使いやすいルアーを使用する

テクトロはルアーを選ばず使用することができるテクニックだが、テクトロをこれから取り入れていこうと考えているアングラーの方はまず、手元にルアーの振動の伝わりやすいバイブレーションなどがおすすめだ。
詳しくは「テクトロをはじめてするシーバスアングラーにおすすめのルアー」に記載があるが、手元にルアーの振動が伝わることでルアーが動くために最低限必要なスピードが保たれているか、ゴミなどが引っかかっていないかなどを目で見なくても手で感じることができる。