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釣果

ヒラメやシーバスのためのショックリーダーの長さ

ヒラメやシーバスのためのショックリーダーの長さ

ショックリーダーとは

そもそもショックリーダーはなぜ必要なのだろうか?
PEラインが世に出回る前はナイロンラインのみでヒラメやシーバスと言ったルアーに反応してくる魚を狙っていた。

しかしナイロンは強度こそあるものの、伸びる特性があるためロッドアクションを入れてもルアーがアクション通りに動いてくれないと言った問題があった。
そこで登場したのがPEラインを使用したラインシステム。PEラインは伸びがない上に直線的な強度もある優れたラインだ。しかしそんなPEラインにも弱点がある。それは岩や魚などに擦れた際に発生する摩擦に弱いこと。
ルアーの操作中はもちろんのこと、魚とのファイト中に岩や魚に擦れることでPEラインが切れてしまう。そんな問題を解決するためにPEラインにナイロンやフロロと呼ばれる摩擦に強いショックリーダー(通称、リーダー)を付けることで現在の広く使われているラインシステムが出来上がった。

つまりショックリーダーは摩擦などによりPEラインが切れることを防ぐためにつける必要がある。

ここではそんなショックリーダーの長さの決め方を紹介していく。

長さの決め方

釣る魚の全長で決める

釣る魚の全長で決める

冒頭でも説明しましたが、ショックリーダーはPEラインが摩擦によって切れることを防ぐためにつける。つまりシーバスやヒラメと言ったターゲットにPEラインが触れて切れてしまうことを防ぐだけの長さが必要になる。

記録によると日本のヒラメの最大サイズは1メートル、シーバスの最大サイズは1メール26センチ。
つまり、上記のサイズよりも少し長いくらいは最低限必要な長さと言える。
しかしリーダーは使っているうち傷がつく。プラス50センチほど足しておくとリーダーが擦れた部分を切るだけでわざわざ組みなす必要がない。ヒラメを狙う場合は1メール50センチ、シーバスを狙う場合は1メール80センチ程度取るようにしよう。

もちろん、根ずれなどがほぼないと言った場所では余裕を50センチもとる必要はないし、大きなサイズが出ない場所では最大サイズに合わせてリーダーの長さを決める必要もない。

PEラインを見えにくくする

PEラインは屈折率により水中ある場合でも見えやすい。
見えやすいことはアングラー側にとってはいいことだが、ヒラメやシーバスなどからしてみれば、警戒心を与えてしまう要素になる。特にヒラメもシーバスも大型になればなるほど警戒心が高くなるため、ルアーにラインが付いていることが見えてしまえば食ってくることはまずない。

一方、ショックリーダーに使用されるナイロンやフロロは水の屈折率と数値が近いため水中では見えにくい。
屈折率について詳しくは「ナイロン、エステル、フロロ、PEラインの違い」を確認。

つまりショックリーダーを長くつけることでヒラメやシーバスから水中で見えやすいPEラインを隠すことができる。

この場合何センチと言った決まりはつけにくいが、長ければ長いほどPEラインをルアーから遠ざけることができるため魚に警戒心を与えにくい。

「釣る魚の全長で決める」で紹介したヒラメの1メール50センチ、シーバスの1メール80センチあれば基本的には問題がない。

風や波が高い時は短くする

ショックリーダーを触ったことがある方はご存知だろうが、PEラインに比べてナイロンやフロロは太い。そのため、風や波などの影響を強く受ける。
横から風や波が当たる場合などは、リーダー部分が強く影響を受けてしまいルアーが流されうまく動かすことができないこともある。

そんな状況の時はリーダーを短くしてやる必要がある。

「釣る魚の全長で決める」を基準に数十センチ程度短くしてやるだけでも影響は小さくなる。

根(岩)が多い場所では長くとる

根が多い磯などで狙う場合には「釣る魚の全長で決める」で紹介した長さよりも長くとる必要がある。
紹介した長さはあくまでもファイト中の魚と触れることで発生する摩擦に対応するための長さだ。
しかし根が多い場所ではファイト中はもちろん、ルアーを泳がしている最中も根にあたることが多くなる。

磯などでも起伏が激しい磯の場合は3メートルや4メートル、場合によってはそれ以上の長さ必要となることもあるが、サーフや河口と言った一般的に起伏が激しくない場合には紹介した長さ程度あれば問題ない。

また、リーダーを長くとりすぎるとキャスティング時にリーダーとPEラインの結びコブがガイドにあたる数が増えるので飛距離が落ちるし、正確性にも欠ける可能性が高くなる。

そのため、リーダーを長くとる必要がある起伏が激しい磯の場合は、使用する予定のロッドよりも硬めのロッドを使用しようするようにしよう。
ロッドを硬くすることで、ロッドのパワーで魚に主導権を与えず岩などに擦れる可能性を減らすこともできる。そのためショックリーダーを短くすることも可能だ。

ただし、あまりリーダーを短くしてしまうと「PEラインを見えにくくする」で紹介したように魚が食いついてこないこともあるので最低でも1メートル前後は取るようにしよう。

ガイドの大きさで決める

ガイドとはロッドについているラインが通るためのリング状の金具のこと。このガイドが小さい、いわゆる小口径ガイドを使用している場合はリーダーを短くとる必要がある。

PEラインとショックリーダーをFGノットなどで直結することでPEラインやリーダーよりも太い結びコブができる。
この結びコブがリングサイズの大きいガイドにあたる場合は問題にならないが、小口径ガイドのような小さいガイドとぶつかった場合、飛距離が出ないだけでなく、最悪の場合にはライントラブルやガイドの破損へとつながる可能性がでてくる。

なぜ?と言った細かい説明は次回にするとして、この小口径ガイドの場合、キャスト時に結びコブとガイドが当たらない程度にしておくか、なるべくガイドにあたる個数を少なくする必要がある。つまり、必然的にショックリーダーの長さをキャスト時のタラシ程度の長さにする必要がでてくる。

シーバスやヒラメ向けに現在市販されているロッドの多くが、小口径ではない大きいサイズのガイドであるためあまり気にする必要がないかもしれないが、オフショア(船からの釣り)を中心に一部のロッドでは小口径ガイドが今でも採用されているのでそういったロッドをお持ちの場合には一度ガイドの確認をしてみよう。