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釣果

シーバスが捕食するベイトフィッシュ29選

シーバスが捕食するベイトフィッシュ

シーバスの代表的なベイトフィッシュ

雑食であるシーバスは様々なベイトを捕食する。ボラの幼魚であるイナッコや回遊魚であるカタクチイワシなどの魚類はもちろん、エビやカニなどの甲殻類、軟体動物である小さなイカやタコなどの頭足類、シーバスアングラーからはバチの総称で呼ばれることの多いゴカイやイソメなどの多毛類など様々なベイトを捕食している。

ここではシーバスが主に捕食している29のベイトフィッシュを紹介していく

魚類(海水域)

カタクチイワシ

カタクチイワシ

出典:市場魚貝類図鑑

数あるイワシの中でも最も代表的な存在のカタクチイワシ。回遊性の魚で主に春から秋にかけてサーフはもちろん港湾などに入ってくる。
15cm前後の個体が多く、最大でも20cm程度までしか成長しないためシーバスの格好のターゲットとなるが回遊魚であるため動きは思いのほか速い。

夜になると漁港内やシャローエリアに入り、日中はプランクトンなどを捕食するために泳ぎ回る。背中が黒いことからセグロイワシとも呼ばれている。

トウゴロイワシ

トウゴロイワシ

出典:市場魚貝類図鑑

名前にイワシとついているがボラの仲間であるトウゴロイワシ。カタクチイワシなどが沖合を回遊するのに対してトウゴロイワシは回遊せずに沿岸の浅瀬に生息するため、サーフや港湾はもちろん磯などにも年中存在している。
シーバスはトウゴロイワシも捕食するがカタクチイワシほどの爆発力は持たない。
またサイズもカタクチイワシよりも一回り小さく10cm前後。

マイワシ

マイワシ

出典:市場魚貝類図鑑

カタクチイワシやトウゴロイワシよりも大きく30cm前後まで成長するマイワシ。
カタクチイワシと同様に回遊魚であり、水温が上昇する夏は北へ移動し水温が下がると南下する。
カタクチイワシほど接岸してくる機会は少ないが、潮通しの良い場所であれば、磯やサーフはもちろんのこと港湾や漁港内にも入ってくることがある。

コノシロ

コノシロ

出典:市場魚貝類図鑑

海水域はもちろんのこと河口など海水と淡水の混ざる汽水域になどにも生息しているコノシロ。シーバスのベイトフィッシュの中では比較的大型の個体で30cm前後まで成長する。
冬になると河口などよりも水温が暖かく安定している港湾などで群れるため、冬のシーズナルパターンの言えるコノシロパターンは有名だ。

特にこの時期は産卵に向けて体力をつけたい大型のシーバスが多いため、コノシロの群れの近くにはランカーシーバスを含めた大型の個体が多い。

10cm前後のものはコハダと呼ばれ、寿司ネタとしても有名だ。

ボラ(イナッコ・ハク)

ボラ(イナッコ・ハク)

北海道から沖縄まで広く生息しているボラもシーバスのベイトフィッシュの一種。最大で80cmを超える個体もいるがシーバスが主に捕食しているのはハクやイナッコと呼ばれるボラの稚魚や幼魚。
シーバスと同じく出世魚のため、数センチ程度をハク(関東ではオボコ)、10センチ前後をイナッコなどと呼ぶ。

ルアーなどにスレがかってくることも多くご存知の方も多かと思うが、シーバスに負けず劣らずの引きがある。その遊泳力からボラについたシーバスを狙う際には波動の大きなミノーなどへの反応が比較的良いこと多い。

冬に産卵するため、春から初夏にかけて河口に集まったハクをシーバスがメインに捕食するマイクロベイトパターンや秋口に10cm前後まで成長したイナッコをシーバスがメインに捕食するイナッコパターンなどはシーバスのシーズナルパターンとして有名だ。

サヨリ

サヨリ

出典:市場魚貝類図鑑

ダツと同じように口のとがったサヨリ。30cm前後まで成長するが、シーバスが主に捕食するのは20cm以下の個体が多い。
表層付近を群れで泳ぐためシーバスが捕食する際は派手なボイルが起きやすいが、その群れの多さからルアーが目立たず釣れにくいのが特徴。また、口が尖っているため捕食する際は後ろから捕食されることが多い。

小型の群れが多くなる秋から冬にかけてシーバスもサヨリを偏食するためサヨリパターンとなりやすい。また、サヨリのシルエットに似せた細長い形のルアーも各社から多数販売されている。

イカナゴ・コウナゴ

イカナゴ・コウナゴ

出典:市場魚貝類図鑑

砂地や泥地に生息するイカナゴ。日中は海底付近を泳ぎ回り夜になると砂に潜るため日中のメインベイトとなる。また、多くのベイトが夏を中心とした暖かい時期なのに対して、イカナゴは水温の低下する秋から春先がメインとなる。関東ではコウナゴと呼ばれることも多いが全国的にはイカナゴの名で知られている。

20cm前後まで成長するものの遊泳力がないためシーバスからすれば格好の餌となる。

サーフや干潟だけでなく、砂混じりの磯などでも多く生息している。

ハゼ

ハゼ

出典:市場魚貝類図鑑

泥地に生息するハゼもシーバスが主に捕食するベイトフィッシュの一種だ。回遊性はないため年間を通して干潟や河口などに生息しているが、主に捕食される時期は冬。冬は多くのベイトフィッシュが寒さを凌ぐため沖の深場へと移動してしまうため港湾や河口から姿を消す。一方シーバスも水温の低下に合わせ活性が下がりボトム付近にいることが多くなるので、冬になるとボトム付近にいるハゼをメインに捕食することが多くなる。

コチ

コチ

出典:市場魚貝類図鑑

ハゼ同様コチもシーバスは捕食する。主には20cm程度までしか成長しないメゴチであることが多いが、春から夏に産卵し、秋や冬に数センチ程度まで成長したマゴチの稚魚や幼魚なども捕食されることがある。

ウミタナゴ

ウミタナゴ

出典:市場魚貝類図鑑

ウミタナゴは漁港内や藻の多いサーフなどどこにでも生息しているベイトフィッシュ。個体差はあるが20cm前後まで成長し基本的には群れで行動している。
特に磯場に多く生息しており、イワシなどの回遊魚とは違うため1年を通してその場にいることが多い。
磯のヒラスズキはもちろんの事、磯のマルスズキ(磯マル)の口から出てくることも少なくない。

メバル

メバル

出典:市場魚貝類図鑑

根魚であるメバルもシーバスの餌になることが多い。成熟した大きな個体を捕食することもあるが、基本的には春先に数cm程度まで成長したメバルの稚魚や幼魚を捕食することが多い。

堤防などにテトラの近くには春になるとメバルの稚魚を狙ったシーバスがついていることが多い。

アジ

アジ

出典:市場魚貝類図鑑

堤防などでのサビキ釣りで有名なアジもシーバスの捕食対象。特に夏から秋にかけて接岸することが多いためこの時期になるとシーバスもアジを捕食する機会が多くなる。
またイワシなどよりも生命力が強いためアジを生き餌に泳がせ釣りでシーバスを狙うことも多い。

ヒイラギ

ヒイラギ

出典:市場魚貝類図鑑

波の穏やかな内湾や河口付近、漁港内などに生息しているヒイラギ。10cm前後と非常に小さい上に主に泥地や砂地を好む。また、ひし形の独特の形状の他にも匂いのある粘着性の体液を体からだしたり、夜間になると体内にいるバクテリアによって体の一部が発光する。

基本的には年中浅場にいるが、シーバスはベイトが少なくなる冬になるとヒイラギを偏食することがある。

サッパ

サッパ

出典:市場魚貝類図鑑

コノシロと非常に形の似ているサッパ。コノシロよりも一回り小さく、コノシロにある斑点などがないのが特徴。
また沖縄を覗き日本全国に生息しており、河口などの汽水域にいることも多い。主に春から秋に群れを作り回遊するため、この時期のサッパの群れにはシーバスがついていることも多い。

セイゴ(シーバス)

セイゴ(シーバス)

出典:市場魚貝類図鑑

フィッシュイーターの多くが共食いと呼ばれる同じ種類同士で捕食し合う。もちろんシーバスも例外ではない。特に大型の個体が小さなセイゴと呼ばれるシーバスを捕食していることは少なくない。

シラス

シラス

出典:市場魚貝類図鑑

シラスは特定の魚の稚魚を表した言葉ではなく、イワシやウナギなど生まれたばかりの稚魚の総称。
生息している場所によって若干色が異なるが、基本的は透明なことが多い。
シーバスにとっては遊泳力がなく簡単に捕食できるためシラスが大量に群れている時はシラスを偏食することが多い。
ただし、シラスに偏食してしまうとルアーサイズを合わせることが難しくなるため、釣るのが難しくなる。

ご当地の魚類

ハタハタ

ハタハタ

出典:市場魚貝類図鑑

一般的にはあまり知られていないハタハタ。普段は水深200m以上の深海に生息しているが、11月から12月になると産卵のため水深の浅い藻場に夜になると上がってくる。
特にこの時期はシーバスが産卵のために荒食いする時期でもあるためハタハタの接岸に合わせてシーバスの活性も高くなる。

シーズナルパターンとしては非常に短い上に新潟や秋田など日本海側の寒い地域が中心となり、太平洋側ではあまり聞かれない。

エツ

エツ

出典:市場魚貝類図鑑

全国的にはあまり知られていないが有明海の固有種であるエツもシーバスの捕食対象となる。夏になると産卵のために遡上することがあり、その時期は有明海に注ぐ河川のシーバスがエツを吐き出すことも多い。

魚類(淡水域)

アユ

アユ

出典:市場魚貝類図鑑

シーバスは海水域だけではなく河川などにも生息している。そのためアユもシーバスにとってはベイトフィッシュとなる。シーバスは偏食傾向の強い魚のためある時期になると特定のベイトのみを捕食することがあるが、1年のうちに2回ほどアユを偏食することがある。

まず1つは落ちアユパターンと呼ばれる。アユは川の上流または中流部で産卵しその生涯を終える。そのため産卵後は徐々に弱り、川の流れに逆らえず下流へと流される。その落ちていくアユをメインに捕食するのが落ちアユパターンだ。シーバスからしてみれば、30cm前後まで成長したボリュームのあるアユが流されてくるため無駄な体力を消耗せずに簡単に捕食することができる。

そしてもう一つが稚アユパターンだ。11月前後に産み落とされた卵が海で孵化し数cm前後になると河口付近に集まり遡上する。その稚アユをシーバスがメインに狙ったのが稚アユパターンだ。
稚アユは数センチと小さいため遊泳力がないためシーバスからしてみれば補食しやすい。また、シーバスは冬に産卵するために沖へとでてしまい河川に大型の個体は少なくなるが、春の稚アユの遡上に合わせて大型のシーバスも上流域や中流域まで遡上してくる。

フナ

フナ

出典:市場魚貝類図鑑

日本淡水域であれば河川の上流域を除きどこにでも生息しているフナ。特にマブナと呼ばれるギンブナは、北は北海道から南は沖縄まで広く生息している。
小型のサイズはシーバスなど入れない浅瀬にいることが多いが、雨などにより水流が増えると流されてくることも多いためそう言ったタイミングで捕食されることが多い。

ハヤ

ハヤ

出典:市場魚貝類図鑑

ハヤとは特定の魚の名称ではなく、オイカワやウグイ、カワムツなどの総称のこと。ほとんどが小型の個体で群れで生息していることが多い。
基本的には川の中流域から河口までと幅広く生息しているが海水域にでることは少ない。

ニゴイ

ニゴイ

出典:市場魚貝類図鑑

ニゴイもハヤの仲間に含まれるが、その中でも60cm前後まで成長するため大型の個体となる。ただしシーバスがメインに捕食するのは数センチから20cm程度までの比較的小さいニゴイであることが多い。一般的な鯉よりも全体的に細長いのが特徴。

甲殻類

アミ

アミ

出典:市場魚貝類図鑑

ヨコエビやイサザアミなどの動物性プランクトンであるアミもシーバスは捕食する。特に河川や河口などでアミが大量に発生するとアミに偏食してしまう個体も多い。
ただしシーバスはエラの一部である鰓耙(さいは)と呼ばれる器官がイワシなどプランクトンをメインに捕食している魚よりも短い上に数も少ないことから吸い込んだほとんどのアミがエラブタから出てしまい捕食しきれていないとも言われている。

スジエビ

スジエビ

出典:市場魚貝類図鑑

河川に生息するスジエビはヨコエビなどよりも一回り大きく、4,5cmまで成長する。日本全国の河川や池などに生息している

ザリガニ

ザリガニ

シーバスはザリガニも捕食することがある。特に田んぼなどの農業用水が流れ込む場所では小魚を含めザリガニなども流されてくるのでシーバスが狙って待っていることが多い。
ただし、ツメの発達した大きな個体を食べることはまずなく、生まれて数ヶ月以内の小さな個体を主に捕食している

その他エビ全般

その他エビ全般

出典:市場魚貝類図鑑

その他にもテナガエビやヌマエビなど様々なエビ類を捕食する。ただしザリガニ同様、大きな個体よりも比較的小さい個体を捕食することが多い。

カニ類

カニ類

出典:市場魚貝類図鑑

エビ類以外にもカニ類も捕食する。海水域であればイソガニやイワガニなど、淡水域ではサワガニなど比較的小さいカニを捕食している。
また、カニは海底だけでなく堤防の側面にできた隙間や護岸に設置されたコンクリートブロックなどの壁面にいることも多く、何かの拍子に水中に飛び出してきたタイミングで捕食されていると言われている。

多毛類

バチ

バチ

バチとはイソメやゴカイの総称のこと。シーバスフィッシングにおけるバチと言えばバチ抜けパターン。
普段は海底の泥の中にいるバチが夜になると海底から抜け出し産卵のために水中を漂う。これをシーバスがメインに捕食するのがバチ抜けパターンだ。

頭足類

イカやタコ

イカやタコ

出典:市場魚貝類図鑑

イカやタコは主に春から夏にかけて産卵する。そのため夏から秋には生まれたばかりの個体が水中を漂っていることが多い。シーバスはこれらの幼体も捕食する。
時期によっては捌いたシーバスのお腹の中からタコやイカが大量に出てくることもある。

また、新潟や富山ではホ4月頃になると浅瀬に産卵のために寄ってきたホタルイカを捕食しようシーバスが接岸してくる。普段は外洋にいるシーバスもこの時ばかりはサーフや漁港などに多く集まる。